2020年後半のサーフゲームは「シマノ エクスセンス ジェノス 100MH|SHIMANO EXSENCE GENOS S100MH/R Wild Contact 100」をメインで使いましたが、この竿について質問が多々ありましたのでブログに綴ります。
シーバスゲームにおける極上の感覚、感性、感動…。
これらの“究極の感” を追求してきた「エクスセンス」。
(中略)
限界を超越した「エクスセンス∞」のリリースを経て、新たなステージへと歩を進めた「エクスセンス」。
進化の結実をすべて享受し、“種族” という名を与えられた第三世代、それこそが「エクスセンス GENOS」。
引用:SHIMANO公式HP
と、いうことでご存知の通り、SHIMANOから対シーバス用フラッグシップロッドとしてリリースされた本シリーズ「エクスセンス ジェノス」ですが、筆者はそれを対ヒラメ用としてサーフで使用してきました。
「何故にこれをサーフで…?」と、思われる方もいるかもしれませんが、そこは「Wild Contact」シリーズ監修者である“鉄人”こと“松岡豪之”氏のように「豪快で超攻撃的な攻めの釣りをサーフでしたかったから」と、いうことでもあります。
昨年秋シーズン、一週間程度で13枚ヒラメを釣りましたが、この竿ならではの釣り方が功を奏した結果だったと思います。
釣果はYouTubeにて公開しています。是非、ご覧ください!
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本記事の内容
品番 | S100MH/R | Wild Contact 100 |
全長(m) | 3.05 | 10ft |
継数(本) | 2 | ロッドベルト×2付属 |
仕舞寸法(㎝) | 156.3 | |
自重(g) | 152 | サーフロッドとしては軽い |
先径(㎜) | 1.8 | サーフロッドとしては細い |
適合ルアーウェイト(g) | 8〜48 | ヒラメ習いなら十分な適合 |
適合ラインPE(号) | 0.8〜2.0 | |
リールシート位置(㎜) | 430 | サーフロッドとしては短く感じるかも |
カーボン含有率(%) | 98.0 | |
本体価格(円) | 64,500 | 4万円台になることも有 |
この竿は多くのインプレッション記事に書かれている通り、簡単に言うと「軽くて硬くて曲がる竿」
よく使われているサーフロッドの長さは10ft越えですが、この竿はジャスト「10ft(3.05m)」で長さこそ普通ですが「自重152g」はサーフロッドとしてみると最軽量の部類です。
「10ft(3.05m)」という竿の長さはもちろんサーフでの釣りに適していますし、「自重152g」は軽すぎないか?「先系1.8m」は細過ぎないか?と言う点では不足感はまったくありません。
表記の通り、ロッドテーパーは「MH(Medium Heavy)」ですが実際は「H(Heavy)」でもいいんじゃない?というくらい「H(Heavy)」寄りの硬さで、バットからティップまでしっかり芯の通った張りを持たせたキャラクターになっています。
よくあるティップ部だけ柔らかめに設定されている竿とは違います。
硬いとはいえ、魚が掛かった際はロッドをしならせて柔軟に否してくれる性能をしっかり持ち合わせています。
負荷が掛かった時はしっかり曲がりますが、硬さと比例して寄せる力が強い?というと強すぎるという程ではありません。(同シリーズの中では最強)
そこは「先系1.8㎜」の竿の細さが絶妙なバランスで、硬さゆえの反発力過多がうまく相殺されています。
サーフの釣りでよくありがちな、竿が強すぎて魚がすぐ水面を割ってしまう(よくバレる原因の一つ)感覚はほとんどありません。
サーフロッドとしてはかなり取り回し良く扱えるロッドです。
前述したと通りかなり取り回しの良い「軽くて硬くて曲がる竿」なので、もちろんサーフ系ルアーのキャスタビリティーはかなり良いです。
サーフ系ヘビーウェイト級ルアー
40g超過のプラグやジグを投げる際、フルキャストしきれないというサーフあるあるがありますが、この竿に関してはその心配はありません。
その線の細さから、一見「ルアーに重さ負けして重い物は投げにくいのでは?」という想像は容易ですが、見事にその想像を裏切ります。
例えば「JUMPRIZE 飛びキング 105HS 44g」「DUO BW ウェッジ 140S 40g」「HARDCORE モンスターショット 95S 40g」など、120%フルキャスト出来るほど竿は強いです。
適合ルアーウェイト上限が「48g」なので、プラグよりも空気抵抗やブレが無いジグはより快適なキャストが可能です。
サーフ系ミディアムウェイト級ルアー
どのロッドにも言えることですが、適合ルアーウェイト範囲の中間に位置するルアーについては当然一番キャスタビリティーが高くなります。しかし、この竿については更に「1.2〜3倍」程キャスタビリティーが向上します。
適合ルアーウェイト範囲の中間は「35g〜15g」がそれに当たりますが、竿が細く軽く硬い分、一般的なサーフロッドよりも素早くシャープに振り抜くことが出来ます。
ヘビーウェイト級ルアーも120%の力でフルキャスト出来る強さを秘めていますから、当然ながら素早くシャープに振り切った分飛距離は伸びます。
汎用系ライトウェイト級ルアー
竿が硬すぎるが故に「軽いものは飛ばしにくい」サーフあるあるについても心配はいりません。
「先系1.8㎜」と竿が細い分、軽いルアーをキャストした際もスイング速度を落とすことなくシャープに振り切れます。
上述した通り、「H(Heavy)」寄りの硬さで、バットからティップまでしっかり芯の通った張りを持たせたキャラクターではあるのですが、負荷が掛かった分しっかり曲がるという前提特性があるので、「軽いもの」も例外なく竿で受けてその反発でキャストしきってくれます。
よく曲がるのにティップからバットエンドまで振動の収束がかなり早く、ルアーやラインへの摩擦抵抗力が最小限だからです。
ルアーが軽すぎると竿が曲がらないというハード系ロッドの盲点は、この竿についてはクリアしています。(適合ウェイトの範囲内)
これは、素材も技術も通常より良いものが多く投入されているハイエンドロッドの特性でもあります。
今お使いの10ft越えサーフロッドに「重ったるさ」や「取り回しにくさ」を感じてる方にとっては、それらを解消し、より快適なサーフの釣りを楽しめる竿だと思います。
そもそもシーバスロッドであるこの竿は、多彩なシュチュエーションの各シーン毎に特化させて開発することでその攻略の制度を極限まで高めたワンアンドオンリーなシリーズとなっています。
使うシュチュエーションやシーンが限定されるという意味で、やはりニッチな部類になると思います。
ですが、各竿毎の特性をしっかり把握した上でそれに適した釣りを展開することが出来れば、120%アングラーの力を引き出してくれます。
短所はやっぱり硬すぎるが故のフックアウト?
この竿の硬さと張りは、どうしてもショートバイトを弾いてしまう原因となります。
例えば、小中規模河川でラインスラッグをめいいっぱい使ったドリフトの釣りにはこのロッドテーパーはまるで向いていません。
上述した通り、良く曲がるのだけど収束がかなり早いため、想定する以上に手元のパワーをインプットしてしまいます。
これがショートバイトの場合どうなるかというと、M(Medium)、ML(Medium Light)以降の柔らかいクラスのロッドより追従性が無くなってしまうため、フックが掛かる前に対象物を弾き離れてしまいます。
この短所は対ヒラメでも同じことが言えますが、シーバスは吸い込みバイト、ヒラメは噛みつきバイトと違う分、噛みつかれた方が弾く前にフックが掛かるケースが多いです。
フックが掛かってからは竿が十分曲がってくれるので、そこからのフックアウトはそれ程気になりません。
そして釣りの種類で言うと、ラインスラッグを使ったドリフトやスローな釣りよりも、線や点でピンポイントに攻めていく釣りに適しています。
サーフでもスローな釣りをしている方が多いと思いますが、そう言う方には少し違和感が出るかもしれません。
短所が長所になる「ワイルドコンタクト|Wild Contact」なこの竿の釣り
「ショートバイトを弾きやすい」「想定以上にパワーをインプットしてしまいがち」、こういった短所はありますが、これを長所に変えた釣りこそSHIMANO公式でも紹介されている通り「超攻撃的ロッド」の所以です。
「ショートバイトを弾きやすい」ことの裏を返すと、それだけインプットに対して反応速度が早く、同シリーズの中でもその感度は高く水中の変化をより繊細に察知することが可能です。
「想定以上にパワーをインプットしてしまいがち」もまた裏を返すと、それだけ手元のインプットに対してレスポンスが早く、よりタイムラグ無くルアーを意のままに操作することが可能です。
これらを踏まえると、手元に伝わる繊細な情報を元によりタイトに手際良くフィールドを探っていき、わずかなショートバイトがあれば積極的なフッキングで魚を獲っていくような釣りが適しています。
恐らくこの竿を検討されている方はそういった「攻めの釣り」も念頭にあるかと思いますが、それが十分可能な特性の竿だということが言えます。
筆者は実際にサーフでミディアムウェイト級のミノーを多用し、中近距離をテンポよく淡々と探っていくことで、一週間程度で13枚ヒラメを釣り上げることが出来ました。(一回1.5h程度の短時間釣行)
この竿の取り回しの良さと強さがなければ同様の結果は得られなかったと思います。
と、いうことでYouTubeやTwitterで質問が多かった「SHIMANO GENOS S100MH/R Wild Contact 100」について筆者なりのインプレッションを書いていきました。
この記事やその他についてご質問・ご意見等ございましたら、本記事のコメント・お問い合わせページ「Contact」にてお寄せいただければと思います。